ICD-11の新しいカテゴリー、複雑性PTSD、長期悲嘆障害、ゲーム行動症、強迫性性行動症に関する新たな知見

  • Reed, G. M., First, M. B., Billieux, J., Cloitre, M., Briken, P., Achab, S., Brewin, C. R., King, D. L., Kraus, S. W., & Bryant, R. A. (2022). Emerging experience with selected new categories in the ICD ‐11: Complex PTSD , prolonged grief disorder, gaming disorder, and compulsive sexual behaviour disorder. World Psychiatry, 21(2), 189–213. https://doi.org/10.1002/wps.20960

ICD-11の重要な変更点の中に、21の新しい精神疾患が追加されたことがある。新しいカテゴリーは通常、a) 罹患率統計の有用性を高める、b) 適切な管理を行うために、臨床的に重要だが分類が不十分な精神障害の認識を容易にする、c) より効果的な治療法の研究を促進するために提案されます。この分野と世界保健機関(WHO)加盟国にとって大きな意味を持つことを考えると、ICD-11導入の初期段階において、これらの新しい分類が与える影響を検証することは重要である。本稿では、複雑性心的外傷後ストレス障害、長期悲嘆障害、ゲーム行動症、強迫性性行動障害という4つの障害に焦点を当てる。これらのカテゴリーが選ばれた理由は、かなりの活動や論争の焦点となっていること、また、ICD-11に含めることはDSM-5の決定とは異なることを意味するためである。主著者らは、これらの疾患の専門家を招き、ICD-11に追加することが重要であると考えられた理由、その診断カテゴリーがない場合のケアへの影響、その障害の追加に関する重要な論争、WHOがICD-11に含める意図を表明してからのそのカテゴリーに関する証拠の生成とその他の進展についての洞察を提供してもらっている。4つの診断カテゴリーのそれぞれは、これまで認識されなかった臨床的に重要で特徴的な特徴を持つ集団と、そうでなければ満たされない可能性の高い特定の治療ニーズを記述しているように思われる。ICD-11 にこれらのカテゴリーが導入されたことで、各領域における研究が大幅に拡大し、その妥当性と有用性が一般に支持され、適切なサービスの利用が大幅に増加した。