高校1年生におけるインターネットゲーム障害と関連する親の要因.縦断的研究

  • She, R., Zhang, Y., & Yang, X. (2022). Parental Factors Associated With Internet Gaming Disorder Among First-Year High School Students: Longitudinal Study. JMIR Serious Games, 10(4), e33806. https://doi.org/10.2196/33806

背景 親は、インターネットゲーム障害(IGD)の発症を含め、思春期の社会化、行動発達、健康において中心的な役割を担っている。しかし、思春期のIGDの親による予測因子に関する縦断的な研究は限られている。目的 本研究は、2波交差遅延モデルを用いて、様々な親要因と思春期IGDの相互関連を調査することを目的とした。方法 中国中部の1年生高校生1200名のサンプルが、2018年のベースライン評価(平均年齢15.6歳、633/1200、男性52.8%)と2019年のフォローアップ調査に回答した。IGDは、9項目のDSM-5 IGD症状チェックリストを用いて測定された。また,心理的コントロール,親からの虐待,親からのサポート,親子関係などの親の変数に関連する認知も青年から収集した。結果 全参加者のうち、ベースライン時(T1)に12.4%(148/1200)、フォローアップ時(T2)に11.7%(140/1200)がIGDであると分類された。4つのクロスラグモデルはすべてデータによく適合した(比較適合指数は0.91-0.95の範囲、標準化二乗平均平方根残差は0.05-0.06の範囲)。T1での親のサポート(β=-.06、P=.02)と親の虐待(β=.08、P=.002)はT2でのIGD症状を予測し、T1での親の心理コントロール(β=.03、P=.25)と親とのポジティブな関係(β=-.05、P=.07)は背景変数で制御するとT2でのIGD症状には有意ではない効果であった。また、T1時点のIGD症状はT2時点の親要因を予測しなかった。結論 親の要因は、思春期のIGDの有意な予測因子である可能性が示唆された。思春期のIGDを予防・軽減するための治療効果を高めるために、親を巻き込んだ健康介入を検討する必要がある。