症例報告:イタリアにおけるひきこもり症候群と自閉症特性およびインターネット・ゲーム行動障害との関連性

  • Carpita, B., Bonelli, C., Giovannoni, F., Parri, F., Gambini, M., Nardi, B., Amatori, G., Cremone, I. M., Pini, S., & Dell’Osso, L. (2024). Case report: Hikikomori syndrome in Italy and its link with autistic traits and internet gaming disorder. Frontiers in Psychiatry, 15, 1378572. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2024.1378572

ここ数十年の間に、ひきこもりに焦点を当てた文献が増えつつある。ひきこもりとは、病的な社会的引きこもりや社会的孤立が6ヶ月以上続き、重大な機能障害や苦痛をもたらす現象である。当初は文化に縛られた症候群と考えられていたにもかかわらず、ひきこもり症候群は後に様々な国で広く認知されるようになった。ひきこもり症候群は、社会の成功基準に達しない場合に理想主義的な世界に避難しようとするものから、不安障害、大うつ病、インターネット・ゲーム行動障害(IGD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)など、いくつかの精神疾患を合併する不適応な対処戦略まで様々である。この枠組みでは、社会的相互作用、問題解決戦略、社会的情緒的相互性の困難が、社会的ひきこもりやひきこもり様行動につながる可能性がある。本研究では、IGDを伴う本格的なひきこもり発症の可能性において、自閉症スペクトラムの存在が脆弱性の徴候であった可能性のある2症例について報告した。