イタリア人ビデオゲーマーにおいて、現代型うつ病の構成要素はインターネット・ゲーム障害症を予測しうるか?症例対照研究

  • Orsolini, L., Longo, G., Bellagamba, S., Kato, T. A., & Volpe, U. (2024). Could the Construct of Modern-Type Depression Predict Internet Gaming Disorder in Italian Video Gamers? A Case–Control Study. Brain Sciences, 14(1), 48. https://doi.org/10.3390/brainsci14010048
欧米諸国では、「現代型うつ病」(MTD)と名付けられた新しいポストモダン型のうつ病が出現しつつある。MTDは、主にインターネット・ゲーム行動障害(IGD)を含むテクノロジーに基づく嗜癖との併存率が高い可能性があるため、しばしば過小診断されている。しかし、MTDとIGDの関係の定義については、これまでに発表されたデータが少ないため、まだ議論の余地がある。特に、イタリアの若年IGD患者におけるMTDの有病率や、その相互関係を具体的に調査したデータはない。そこで、SWATCH(Social Withdrawal and TeCno-mediated mental Health issues)プロジェクトの一環として、本研究では、ビデオゲームをプレイするイタリアの若年成人のサンプルにおけるMTDの有病率を明らかにすることを目的とし、ビデオゲームをプレイするIGDのグループ(IGD+)とIGDのないグループ(IGD-)におけるMTDの臨床的特徴を明らかにした。我々の横断的症例対照研究では、大規模なSWATCHデータベースから543人のイタリアの若年ビデオゲームプレイヤー(18~35歳)のサンプルを募集し、IGD+とIGD-に層別化した。被験者には、22項目のTarumi’s Modern-Type Depression Trait Scale(TACS-22)、Motives for Online Gaming Questionnaire(MOGQ)、Internet Gaming Disorder Scale-Short Form(IGDS9-SF)が実施された。全標本の約21.7%がMTDであり、IGD標本では約34%がMTDであった。MTD群では、IGDS-9SF(p<0.001)、MOGQ「現実逃避」(p<0.001)、「空想」(p<0.001)、MOGQ総スコア(p=0.003)のスコアがMTD-と比較して有意に高かった。性・年齢をコントロールした多変量回帰モデルによると、TACS-22の高得点は、IGDS9-SFの総得点(p=0.003)、MOGQ「現実逃避」下位尺度(p=0.014)、MOGQ「ファンタジー」下位尺度(p=0.011)によって正に予測され、MOGQ「競争」下位尺度(p=0.035)によって負に予測された[F(4538)=17.265;p<0.001]。この結果から、MTDはIGDと強い関連を示すことが示唆された。IGDでないビデオゲームプレイヤーは、MTDになりにくいようである。このことは、ビデオゲームの病的な使用がMTDの有無によっても決定されるかどうかを具体的に調べるために、さらなる研究が実施される可能性を示唆している。