電波反射を利用したスマートフォンによる生体情報によるストレス評価

  • Sato, S., Shimano, H., Saito, M., Shimamoto, S., & Kobayashi, N. (2024). Stress Evaluation with Biometric Information Using Smartphone by Radio Wave Reflection. 2024 IEEE 21st Consumer Communications & Networking Conference (CCNC), 1–4. https://doi.org/10.1109/CCNC51664.2024.10454736
スマートフォンは、IoT機器の操作やスマートフォンゲームなどのサービスにアクセスするために使用されるが、長期間の使用はゲーム行動症を引き起こす。ゲーム行動症は2022年に世界保健機関(WHO)から国際疾病として発表された。ゲーム行動症は、毎日のゲーム時間をコントロールできない症状である。近年、ゲーム行動症の患者数は増加傾向にあり、治療する病院が不足しているため、病院に行かずに自力でゲーム行動症を治す必要がある。そのため、ユーザーがゲームをプレイしているときのストレスを把握し、無理のない範囲で休息を促すなどの改善策を提供する必要がある。本稿は初期研究であるため、スマートフォンゲームプレイ中のユーザーのストレス評価を行った。生体情報を用いてストレスを評価するため、2.4GHz帯の電波波形を胸部に反射させることで電波強度の時間変化を、信号処理により脈波と呼吸波形を取得し、そこからストレスに起因する17のパラメータを得る。スマートフォンの1ヶ月の利用ログから、1ヶ月の平均ゲーム時間が短い被験者16名と長い被験者18名を抽出。平均ゲーム時間が短いグループと長いグループでは、ゲームプレイ中のストレス状態が異なることが想定できるため、ストレス起因パラメータを用いたゲームプレイ中の変動差の比較と、機械学習を用いた二値分類により、ユーザのストレス状態を評価する。本手法は、2.4GHz帯の2本のアンテナを使用するため、今後、スマートフォンを用いたストレス測定が可能となり、無意識に抱えている可能性の高いストレスの把握に貢献する。