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Nie, Y., Pan, T., He, J., & Li, Y. (2024). Impaired social reward processing in individuals with Internet gaming disorder and its relationship with early face perception. Addictive Behaviors, 153, 108006. https://doi.org/10.1016/j.addbeh.2024.108006
これまでの研究で、インターネット・ゲーム障害(IGD)の患者は、ゲームに関連した社会的文脈と現実の社会的文脈において、異なるパターンの社会機能障害を示すことがわかっている。社会的動機づけ理論(Social Motivation Theory)によれば、社会的報酬処理の障害がその根底にあるメカニズムである可能性がある。そこで本研究では、IGD患者24名と健常ゲーマー24名から、社会的判断課題中の事象関連電位を記録した。我々は、ゲームに関連した報酬と現実の社会的報酬によって誘発される報酬陽性(RewP)と、ゲームアバターの顔と現実の顔によって誘発されるN170に注目した。これらの指標を用いて、IGD患者における社会的報酬処理の障害の神経認知的メカニズム、および早期顔認知との関連を検討した。その結果、(1)IGD患者では、現実の社会的報酬によって誘発されるRewPが健常なゲーマーに比べてかなり低下していた。(2)IGD者では、ゲームアバターの顔によって誘発されるN170は、現実の顔によって誘発されるN170よりも大きかった。しかし、N170はいずれの群においてもRewPとは関連していなかった。(3)IGD重症度スコアは、現実の社会的報酬によって誘発されるRewPおよびゲームアバター顔によって誘発されるN170と相関していた。結論として、IGD患者における社会的報酬処理の障害は、主に現実の社会的報酬に対する神経感受性の低下に現れることが示唆された。一方、現実の社会的報酬によって惹起されるRewPの低下と、ゲームアバター顔によって惹起されるN170の亢進は、IGDの潜在的なバイオマーカーとして機能する可能性がある。