選別された現実:イラン人男子青年のゲーム行動症ダイナミクスに関するグラウンデッド・セオリーの探求

  • Mazaherizadeh, A., Taherifar, Z., Farahani, H., & Hussain, Z. (2024). Screened realities: A Grounded Theory exploration of gaming disorder dynamics among Iranian male adolescents. Frontiers in Psychiatry, 15, 1357211. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2024.1357211

はじめに 青少年におけるゲーム行動症(GD)の有病率の増加は、世界的な関心事となっている。GDを調査する研究は増加しているが、GDに影響を及ぼす文化的・社会経済的要因を質的アプローチで明らかにする研究は少ない。本研究の目的は、イラン人男子青年のGDの基礎的要因、プロセス、結果、およびイラン独自の社会文化的・心理的タペストリーの中でGDに関連する文脈的要因を探ることである。

方法 本研究では、グラウンデッド・セオリー法(GTM)に基づく質的デザインを用いた。DSM-5およびICD-11の基準に従って診断された15~18歳の男子青年13名を対象に、半構造化面接を行った。インタビューを書き起こし、オープンコーディング、アキシャルコーディング、セレクティブコーディングを含むGTMアプローチを用いて分析した。

結果 その結果、(1)相互作用の希求、(2)ゲームとの出会い・慣れ、(3)ゲームの魅力、(4)社会化、(5)ゲームのキャリア主義、(6)器用さ、(7)欠乏と補償、(8)身体的危害、領土・文化的障壁、(9)第二の人生、”人生工作”の9つの主要テーマとコアカテゴリーが明らかになった。

考察 本研究結果は、イラン人男子青年のGDに影響を及ぼす文化的・社会経済的要因について貴重な洞察を与えるものである。例えば、イランの経済状況は、青年にゲームを仕事として選ばせ、この方法でお金を稼ごうとさせ、ゲームへの依存度を高めている。一方、ゲームに関連するコミュニティは、GDの青少年のアイデンティティ形成に不可欠な役割を果たしている。