プロのeスポーツゲームにおけるゲーム行動症と機能障害の相互関係を調査する

  • Pontes, H. M., Rumpf, H.-J., Selak, Š., & Montag, C. (2024). Investigating the interplay between gaming disorder and functional impairments in professional esports gaming. Scientific Reports, 14(1), 6557. https://doi.org/10.1038/s41598-024-56358-x

ゲーム行動症(GD)と機能障害の経験との関係は、近年、理論的にかなり注目されており、現在の診断アプローチでは、GD診断の要件として機能障害の重要性が強調されている。しかし、GDと機能障害の相互作用を明らかにする経験的証拠は、特に特定の脆弱な集団においては限られている。本研究では、192,260人の大規模サンプルからサブサンプリングした、年齢と性別を一致させたプロゲーマー(PG、n=2599)と非プロゲーマー(NPG、n=2599)からなる英語圏のサンプル(N=5198)を調査することで、このギャップを埋めようとしている。その結果、PGのGD有病率(3.31%)はNPG(1.73%)の約2倍と有意に高く、さらにPGはNPGに比べて全体的なGDの症状負荷と1週間のゲーム時間が高いことが明らかになった。さらに、PGはNPGと比較して、ゲームに関連した機能障害の頻度が有意に高いと報告し、PGとNPGの双方で特に影響を受けた領域は、「学校および/または仕事」、「身体的健康」、「家族」であり、その他の結果との関連で他の重要な違いが現れた。全体として、今回の所見は、GDの症状負荷だけでなく、いくつかの機能障害もNPGに比べてPGで高いことを示しており、このようなリスクのある集団に対する予防・介入戦略を開発・支援する必要性を強調している。