欲求-好き嫌いの解離とドーパミン作動性機能の変化: インターネットゲーム障害とタバコ使用障害の類似性

Ma, X., Wang, M., Zhou, W., Zhang, Z., Ni, H., Jiang, A., Zheng, Y., Du, X., Potenza, M. N., & Dong, G.-H. (2024). Wanting-liking dissociation and altered dopaminergic functioning: Similarities between internet gaming disorder and tobacco use disorder. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2024.00011

背景 インターネットゲーム障害(IGD)は約10年前からDSM-5に含まれているが、その存在と分類については議論が残っている。方法 今回の研究では3つのアプローチを取り入れた。第1に、IGDにおける欲求と好意の潜在的な解離を調べるために、暗黙的連想検査を用いた。第2に、欲求と嗜好の神経的特徴を探るため、手がかり渇望課題を行ったときの欲求回路と嗜好回路の脳機能を検査し、タバコ使用障害(TUD)と比較した。第三に、ニューロメラニン感受性MRIを用いて、IGDとTUDにおけるドーパミン作動系を調べた。結果 暗黙的連想テストの結果、IGD参加者では、欲求と好意の解離が支持された。機能的MRIのデータは、IGDおよびTUD参加者における欲求-好き嫌い解離の根底にある神経相関を示唆し、正の相関は、依存症の重症度が高くなるほど解離が大きくなることを示唆した。神経メラニンの結果は、健常対照者と比較したIGDおよびTUDにおけるドーパミン作動性の違いを示唆した。結論 IGD参加者における欲求-好き嫌いの解離は、快楽的反応よりもむしろインセンティブ感作に関連するIGDのゲーム動機を示唆している。ニューロメラニン感受性MRIの結果は、IGDとTUDにおけるドーパミン作動性の関与を示唆している。この知見は、依存症の誘因感作モデルに基づくIGDとTUDの類似した脳-行動メカニズムを示唆しており、潜在的な治療戦略や政策に基づく介入に示唆を与えるものである。