インターネットゲーム行動症の症状レベルと線条体の形態との関連は再現され、社会不安の上昇に対する効果を媒介する可能性が示唆された

  • Klugah-Brown, B., Zhou, X., Wang, L., Gan, X., Zhang, R., Liu, X., Song, X., Zhao, W., Biswal, B. B., Yu, F., Montag, C., & Becker, B. (2022). Associations between levels of Internet Gaming Disorder symptoms and striatal morphology–replication and associations with social anxiety. Psychoradiology, 2(4), 207–215. https://doi.org/10.1093/psyrad/kkac020

背景

インターネットゲーム行動症(IGD)では線条体の脳構造変化がしばしば観察されるが、その再現性や社会不安などの社会情動調節障害との関連は未解明であった。

研究方法

本研究では、ディメンショナル・ニューロイメージング・アプローチとボクセル・ワイズ・アプローチおよびデータ・ドリブン・マルチバリエイト・アプローチを組み合わせ、(i)IGD症状負荷(Internet Gaming Disorder Scale-Short Formで評価)と線条体積との負の関連性に関する我々の以前の結果を再現し、(ii)これらの結果を女性にも拡張し、(iii)IGDおよび社会不安(Liebowitz Social Anxiety Scaleで評価)の共通の脳構造表現について多変量および媒介モデルを使って判定することを目指した。

研究結果

ボクセル単位の解析により、IGDと両側尾状核の体積との間に負の相関があることが示された。男性のみを対象とした先行研究を超えて、本研究では、右尾状部における関連が、男性および女性のサブサンプルで同程度であることを実証した。さらに多変量解析により、IGDと社会不安の関連は、背側線条体(尾状核)と腹側線条体(側坐核)の線条体密度表現と領域的に異なることが明らかになった。IGDの高値は社会不安の高値と関連し、その関連は線条体の多変量神経構造密度変動により決定的に媒介された。

結論

線条体体積の変化は、IGD症状の再現可能かつ一般化可能なマーカーである可能性がある。しかし、探索的多変量解析により、線条体密度とIGDおよび社会不安症状との間には、より複雑で部位特異的な関連があることが明らかになった。両者には共通の脳構造表現があり、それがIGDと社会不安の関連性を媒介する可能性がある。