中国におけるインターネットゲーム行動症に関連するゲーム機器の役割。横断的研究

  • Li, Y., Tang, Y., Huang, S., Tan, L., Huang, Q., Chen, X., Lin, S., Hao, J., Liao, Z., & Shen, H. (2023). Role of Gaming Devices Associated With Internet Gaming Disorder in China: Cross-sectional Study. JMIR Serious Games, 11, e40130. https://doi.org/10.2196/40130

背景 中国のゲーマーは、コンピュータや携帯電話のゲームを広く利用している。その結果、青少年におけるインターネットゲーム行動症(IGD)の発症に関する懸念が提起されている。しかし、ゲーム機器がIGDに及ぼす影響に焦点を当てた研究はごくわずかである。

目的 本研究では、コンピュータゲームユーザー(CGU)と携帯電話ゲームユーザー(MGU)の社会人口統計情報、ゲーム利用特性、性格特性、ゲーム動機の比較、およびIGD予測要因の特定を目的とする。

方法 本研究は横断的研究である。3593人のインターネットゲームプレイヤーがオンライン調査に参加し、社会人口統計学的情報、ゲームパターン、ゲーム動機、中国版ビデオゲーム依存尺度、中国版ビッグファイブ性格目録簡体字版を含む調査を実施した。また、携帯電話やパソコンの使用状況によって2つのグループに分け、2つのグループ内でIGD人口を比較した。

結果 2つのゲーム機器群の間には、ゲームに費やした時間(t2994=7.75、P<.001)とお金(t2994=5.11、P<.001)、インターネットゲーム嗜癖スコア(t2994=3.68、P<.001)に有意差がみられた。異なるゲーム機器を使用する個人は、異なるゲーム動機と性格特性を持ち、異なるジャンルのゲームを好んでいた。その結果、IGDの予測因子は2つのグループで異なっており、例えば、戦略ゲーム(オッズ比[OR]4.452、95%CI 1.938-10.227、P<.001)およびアクションシューター(同3.725、95%CI 1.465-9.474、P=曖昧)によりMGUリスクが上昇することが示された。

結論 ゲームに費やす時間が長い、ゲームに費やすお金が多い、神経症的である、誠実であるなど、早期診断の際にゲーム機器を考慮する必要がある。また、新しいゲーム機器とIGDの治療について、より多くの研究を行う必要がある。