インターネットゲーム行動症における安静時脳波(EEG)のデフォルトモードおよび報酬-サリエンスネットワーク内の機能的結合の亢進

  • Lee, J.-Y., Choi, C.-H., Park, M., Park, S., & Choi, J.-S. (2022). Enhanced resting-state EEG source functional connectivity within the default mode and reward-salience networks in internet gaming disorder. Psychological Medicine, 52(11), 2189–2197. https://doi.org/10.1017/S0033291722000137

背景
インターネットゲーム行動症(IGD)が影響を受ける主なメカニズムは、認知と報酬処理の2つである。しかし、安静時脳波(EEG)、機能的結合度(FC)を用いた神経生理学的特徴については、ほとんど知られていない。

研究方法
IGD患者と健常対照者のデフォルトモードネットワーク(DMN)および報酬/サリエンスネットワーク(RSN)内の安静時脳波源FCを比較し、認知および報酬処理に関連する神経生理学的マーカーを同定することを試みた。合計158名の若年男性成人(IGD患者79名、健常対照者79名)を対象とし、5つのスペクトルバンド(デルタ、シータ、アルファ、ベータ、ガンマ)におけるDMNおよびRSNのソースFCを評価した。

結果
IGD患者では、DMN内の前頭葉眼窩皮質と頭頂領域の間でシータ、アルファ、ベータ結合がHCと比較して増加した。RSNでは、IGD患者は健常者と比較して、前帯状回と側頭領域の間のαおよびβ結合の上昇を示した。さらに、IGD患者は、IGD症状の重症度および/または週当たりのゲーム時間と、DMN内のシータおよびアルファ結合、RSN内のシータ、アルファおよびベータ結合の間に負の相関を示した。しかし、IGDの期間と脳波源FCとの関連は見られなかった。

結論
DMNおよびRSN内のハイパーコネクティビティは、IGDの症状の重症度とゲーム時間に関連する潜在的な状態マーカーと考えられる。