注意欠陥多動性障害のある児童・青少年におけるインターネットゲーム行動症について

  • Berloffa, S., Salvati, A., D’Acunto, G., Fantozzi, P., Inguaggiato, E., Lenzi, F., Milone, A., Muratori, P., Pfanner, C., Ricci, F., Ruglioni, L., Tacchi, A., Tessa, C., Villafranca, A., & Masi, G. (2022). Internet Gaming Disorder in Children and Adolescents with Attention Deficit Hyperactivity Disorder. Children, 9(3), 428. https://doi.org/10.3390/children9030428

注意欠如多動性障害(ADHD)は行動嗜癖のリスク上昇と関連しているが、ADHDとインターネットゲーム障害(IGD)の関係についてはまだ議論されているところである。本研究の目的は、ADHDの青少年の連続したサンプルにおけるIGDの有病率を、正常対照群と比較して調査し、IGDを持つADHD患者と持たないADHD患者の選択的な精神病理学的および認知的特徴を評価することによって、このトピックに取り組むことである。ADHD患者180名(平均年齢11.7±2.6歳、男性96名)および健常対照群147名(平均年齢13.9±3.0歳、男性114名)を研究に組み入れ、IGDの構造化測定を受けた。ADHD群では、サンプルの44%がIGDのカットオフ値を超えていたのに対し、NC群では9.5%であった。IGDを有するADHD患者は、重症度と障害度が高く、ADHDの症状がより重く、内面化症状、特に引きこもり/うつ病と社会化の問題が多く、中毒と逃避の次元がより顕著であった。二項ロジスティック回帰では、不注意の程度がIGDの判定に大きなウェイトを占めることが示された。これらの知見は、ADHD患者のうち、IGDを重畳的に発症するリスクの高い患者を特定するのに役立つと考えられる。