- Wang, S., Li, J., Wang, S., Mi, C., Wang, W., Xu, Z., Xiong, W., Tang, L., & Li, Y. (2022). Escapism-Based Motivation Affected the Psychological Performances of High-Risk Internet Gaming Disorder Individuals. Frontiers in Psychiatry, 13, 855631. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2022.855631
背景 逃避的動機づけ(EBM)はインターネットゲーム行動症(IGD)の診断基準のひとつとされている。しかし、EBMがIGDの高リスク者(HIGD)にどのように影響するかは不明である。
方法 789名の大学生が一般調査、インターネットゲーム行動調査、動機づけ調査に参加した。複数の評価の後、57人がHIGDと同定された(EBMを持つ25人、H-EBM、非EBMを持つ32人、H-nEBM)。また、対照群として、ゲームをしない人51名が含まれた(CONTR)。各コホートには心理評価とアイトラッキングテストを実施し、指標の群間差、相関、影響因子について分析を行った。
結果 H-nEBMとH-EBMのバラット衝動性スコアはCONTRのそれよりも有意に高かった(MD = 3.605, P = 0.017; MD = 3.744, P = 0.022).また,感情知能自己感情管理能力は,H-EBMにおいてCONTRよりも有意に低かった(MD = -2.038, P = 0.004).アンチサッケード課題における正答率および反応時間は3群間で有意に異なった(F = 3.525, P = 0.033; F = 4.459, P = 0.014)。しかし、デジタルスパンテスト(DST)、トレイルメイキングテスト(TMT)、動物言語流暢性テスト、ストループテスト、メンタルローテーションテストの結果の比較では、差は見られなかった。アンチサッカードテスト指標はDST結果と正の相関を示したが、ストループテスト結果とは負の相関を示した(P < 0.05)。メンタルローテーションテストの正答率は、TMTの結果と負の相関を示したが、DSTの結果とは正の相関を示した(P < 0.05)。ストループテスト得点が高く、恋人経験がなく、祖父母に育てられた参加者は、EBMを発症してインターネットゲーム行動症の高リスクに関与する可能性が高かった(P < 0.05)。
結論 EBMは,HIGD参加者の衝動性,自己感情管理能力、反応抑制に有意に負の影響を及ぼす。