特定のインターネット利用障害の基準に関する評価(ACSID-11)。ゲーム行動障害およびその他の潜在的なインターネット使用障害のICD-11基準を捉えた新しいスクリーニング手段の導入。

  • Müller, S. M., Wegmann, E., Oelker, A., Stark, R., Müller, A., Montag, C., Wölfling, K., Rumpf, H.-J., & Brand, M. (2022). Assessment of Criteria for Specific Internet-use Disorders (ACSID-11): Introduction of a new screening instrument capturing ICD-11 criteria for gaming disorder and other potential Internet-use disorders. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00013

背景と目的
ICD-11にゲーム行動症が含まれたことにより、この比較的新しい障害に対する診断基準が導入された。これらの基準は、他のインターネット利用障害にも適用される可能性があり、ICD-11では、オンラインショッピング障害、オンラインポルノ利用障害、ソーシャルネットワーク利用障害、オンラインギャンブル障害など、嗜癖行動による他の障害として分類されることがある。既存の測定器には異質なものがあるため、我々は、ゲーム行動症のICD-11基準に基づいて、主要なタイプの(潜在的な)特定インターネット利用障害の一貫した経済的な測定法を開発することを目的とした。

方法
WHOのASSISTの原則を踏襲し、同じ項目で5つの行動嗜癖を測定する11項目の新しいACSID-11(Assessment of Criteria for Specific Internet-use Disorders)。ACSID-11は、10項目からなるインターネットゲーム行動症テスト(IGDT-10)およびメンタルヘルスに関するスクリーニング検査とともに、アクティブなインターネットユーザー(N = 985)に実施された。ACSID-11の因子構造については、確証的因子分析を用いた。

結果
ACSID-11の因子構造は、4因子構造であることが確認され、一次元の解よりも優れていた。これは、ゲーム行動障害と他のインターネット利用障害に適用された。ACSID-11の得点は、IGDT-10や心理的苦痛の指標と相関があった。

考察と結論
ACSID-11は、ICD-11のゲーム行動障害診断基準に基づく特定のインターネット利用障害(の可能性)の一貫した評価に適しているようである。ACSID-11は、様々な行動嗜癖を同じ項目で研究し、比較可能性を向上させるための有用かつ経済的な手段であると思われる。