Internet Gaming Disorder Scale高得点者における実際のリアルタイムインターネットゲーム中の前頭葉皮質活性化。fNIRSを用いた予備的研究

  • Cho, T. H., Nah, Y., Park, S. H., & Han, S. (2022). Prefrontal cortical activation in Internet Gaming Disorder Scale high scorers during actual real-time internet gaming: A preliminary study using fNIRS. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00017

背景
ゲームプレイ中のリアルタイムの神経特性を観察することは、現在論争の的となっているインターネットゲーム障害(IGD)の診断のための明確な証拠を提供し、嗜癖に関与する可能性のある神経メカニズムを明らかにすることになる。我々は、機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いて、リアルタイムのインターネットゲーム中にIGDの可能性のある神経特性に関する予備的知見を提供することを目的とした。

研究方法
ゲーム中のポジティブイベントとネガティブイベントに伴う前頭前野の賦活を調査した。ポジティブなイベント (1)参加者のチャンピオンが対戦相手を倒した、または倒されずに倒した場合。(2)相手チームのネクサスが破壊された。ネガティブなイベント (1)参加者のチャンピオンが、相手を倒したり倒されることなく倒された場合。(2)自チームのネクサスが破壊される。収集されたデータは、IGDグループとコントロールグループ、それぞれ15人の参加者で比較された。

結果
IGD群はCTRL群に比べ、渇望尺度で有意に高いスコアを示した。ポジティブな出来事の後、IGD群はDLPFCにおいて有意に強い活性化を示した。ネガティブな出来事の後、IGD群は外側OFCにおいて有意に弱い活性化を示した。

考察と結論
IGDのスコアが高い人は、ゲーム中に望ましい出来事に遭遇すると、インターネットゲームをもっとやりたくなる可能性がある。このような観察は、渇望尺度とDLPFC活性化の間の相関によって支持される。また、IGD群では、ゲーム中のネガティブな体験に対する罰の感受性が低下しているため、ゲームを継続する可能性がある。本研究は、IGDが他の嗜癖性障害で観察される神経特性を示す可能性を示す予備的証拠であり、行動嗜癖研究におけるfNIRSの利用を示唆するものである。