インターネットゲーム行動症。リスクとレジリエンスに基づくアプローチの根拠

  • Warburton, W. A., Parkes, S., & Sweller, N. (2022). Internet Gaming Disorder: Evidence for a Risk and Resilience Approach. International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(9), 5587. https://doi.org/10.3390/ijerph19095587

先行研究では、問題あるビデオゲーム使用(PVGU)およびインターネットゲーム障害(IGD)の発症を予測するさまざまな要因が指摘されているが、リスク要因と保護要因を一緒に検討した研究はほとんどなく、リスク要因または保護要因が個人に蓄積されるとPVGUまたはIGDのリスクが増加または減少するかどうかを検証した実証的証拠はほとんど存在しない。本研究の目的は、PVGUおよびIGDのリスクカテゴリーとして示された3つの予測因子(実行機能障害、日常生活における満たされないニーズ、非援助的な家族環境)を用いて、この2つの問題を検討することであった。12~17歳の小学生N=866人を対象とした調査において、IGD症状の重症度とIGD診断基準の充足を最も強く予測したリスク/保護因子は、自制心と社会的排除であった。その他の有意な予測因子としては、衝動性、自尊心、達観、自分の外部環境のコントロール、親子愛着の質の向上が挙げられた。傾向分析により、危険因子と純粋危険因子が蓄積されるとPVGUのリスクは直線的に増加し、保護因子と純粋保護因子が蓄積されると減少することが明らかにされた。したがって、日常生活における衝動制御や満たされない欲求にまつわる問題の正味の蓄積が、青年をPVGUまたはIGDに先行させるのかもしれない。結果は、思春期のスクリーンベース障害に対する「リスクとレジリエンス」アプローチを支持し、治療においてリスク要因に焦点を当てることの潜在的利益を示唆するものであった。