中国の青少年における学校資産といじめ。意図的な自己規制とインターネットゲーム障害の多重媒介モデル

  • Gan, X., Qin, K.-N., Xiang, G.-X., Jin, X., & Zhu, C.-S. (2022). School assets and bullying in Chinese youth: A multiple mediation model of intentional self-regulation and internet gaming disorder. Frontiers in Pediatrics, 10, 947869. https://doi.org/10.3389/fped.2022.947869

いじめは、世界中の青少年に影響を与える深刻な社会問題だ。これまでの研究では、いじめはティーンエイジャーの身体的・心理的発達に大きな影響を与えることが示唆されている。このような現象の背景やメカニズムを解明することは重要かつ必要である。本研究では、青少年ポジティブ発達観と発達資産理論に基づき、青少年のいじめを効果的に予防しうる学校サブシステムにおけるポジティブ要因、および意図的自己規制(ISR)とインターネットゲーム障害(IGD)の多重媒介効果を探索することを試みる。本研究では、2波デザインを採用し、ポスト・パンデミック時代の中国の青年768名をランダム・クラスター・サンプリング法でサンプルとして募集した。その結果、T1学校資産はT2思春期いじめを有意かつ否定的に予測することが明らかとなった。さらに、T2 ISRとT2 IGDは、T1学校資産とT2いじめの関連を個別的かつ逐次的に媒介した。全体として、学校資源は思春期の発達において保護的な役割を果たし、否定的な結果から効果的に予防しうることが示された。これらの今回の知見は、思春期のいじめに対する学校資産の直接的・間接的な保護効果についてさらに理解することで、この分野の研究に貢献するものである。さらに、学校サブシステムにおけるいじめの予防と介入において、実務家もこれらの知見から恩恵を受けることができるだろう。