家族機能不全はインターネットゲーム障害にどのような影響を及ぼすか?中国の青少年を対象とした調整型系列調停モデルの検証

  • Gan, X., Xiang, G.-X., Jin, X., Zhu, C.-S., & Yu, C.-F. (2022). How Does Family Dysfunction Influence Internet Gaming Disorder? Testing a Moderated Serial Mediation Model Among Chinese Adolescents. International Journal of Mental Health and Addiction. https://doi.org/10.1007/s11469-022-00895-x

インターネットゲーム障害(IGD)は、世界中で深刻な社会問題になっている。豊富な実証研究により、この現象を説明する多くの理由が示されている。しかし、家族機能不全がIGDに及ぼす影響や、この関係の根底にある潜在的な媒介メカニズムについては、ほとんど研究されていない。本研究では、調整付き連続媒介モデルを構築することにより、家族機能不全とIGDの関係、ならびに自尊心と自制心の媒介効果、親子関係の媒介役割について検討した。中国南部の重慶市と湖北省の7校から1255名の青年(Mage = 15.55, SD = 1.57, 527名の男子)を標本として募集した。結果は仮説モデルを概ね確認し、家族機能不全が青年のIGDを直接、あるいは自制心と自尊心から自制心への系列経路を間接的に介して有意に予測することが示唆された。さらに、親子関係や性差の媒介効果もモデル内で明らかにされた。これらの知見は、青年期のIGDを軽減するための介入に何らかの指針を与える可能性がある。