ゲーム障害およびインターネット利用障害におけるパーソナリティ特性とそのリスク調整因子としての役割

  • Müller, K. W., Dreier, M., & Wölfling, K. (2023). Personality traits and their role as risk modifiers in gaming disorder and internet use disorders. Current Opinion in Psychiatry, 36(1), 75–79. https://doi.org/10.1097/YCO.0000000000000827

概要
レビューの目的
DSM-5で最初に認識されたゲーミング障害は、現在、行動依存症としてICD-11で正式に精神疾患として含まれている。過去数十年の間に、この現象に関する研究は増加し、特にその病因に関する理論が提案されてきた。この点については、神経生物学的要因、社会的要因、心理学的要因などの基礎的要因が説明されている。一般的に議論されている病因の1つは、特定のパーソナリティ特性のはずだ。ゲーミング障害や他のインターネット利用障害のサブタイプの根底にある人格的要因についてもっと知ることで、より洗練された病因論モデルの構築、オーダーメイドの予防アプローチ、そして治療戦略の特異性に影響を与えることができると考えられる。この概説では、ゲーミング障害のリスク修飾因子および維持因子としてのビッグファイブ性格特性の役割に関する現在の研究についての情報を提供する。

最近の知見
ゲーミング障害の相関因子として、特に神経症的性格と良心的性格の高さが指摘されている。しかし、前向き研究に基づく結果はほとんど得られていない。しかし、性格特性がリスク修飾因子として作用するだけでなく、ゲーミング障害の影響を受ける可能性があるという最初の証拠が得られている。

まとめ
本寄稿では、今後の研究への提案と、パーソナリティの変化するダイナミクスを考慮したより顕著な視点の必要性を提示した。治療プログラムにおいてパーソナリティ特性を扱うことは、患者の早期治療終了とその後の再発を防ぐための有望なアプローチとなり得る。