韓国の前向き青少年コホート研究で明らかになったインターネットゲーム障害の危険因子とアウトカム。

  • Byeon, G., Jo, S.-J., Park, J.-I., Jeong, H., Lee, H. K., & Yim, H. W. (2022). Risk factors and outcomes of internet gaming disorder identified in Korean prospective adolescent cohort study. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00071

概要
背景と目的
インターネットゲーム障害(IGD)は、様々な心理的・身体的合併症を引き起こすことが知られている。我々は、思春期の前向き縦断コホートで収集したデータを通じて、IGDが生活習慣や身体症状とどのように関連しているか、またそれらの間の時間的関係を調べた。

研究方法
本研究は、2015年から2019年にかけて韓国で行われたiCURE(Internet user Cohort for Unbiased Recognition of gaming disorder in Early Adolescence)の一環として実施されたものである。睡眠時間と身体活動時間、ドライアイ症状、筋骨格系疼痛、ヒヤリハット事故をベースラインで測定し、1年後にフォローアップを行った。IGDリスクは、Internet Game Use – Elicited Symptom Screen(IGUESS)を用いて評価した。ベースライン時と1年後のフォローアップ時の両方で、IGDリスクと測定変数との関連性を分析した。

結果
ベースライン時、IGDリスク群はIGD非リスク群に比べ、身体活動時間および睡眠時間が有意に短く、ドライアイ症状、筋骨格系疼痛、ヒヤリハット事故がより多かった。さらに、ベースライン時のIGDリスク群では、ドライアイ症状、筋骨格系疼痛、ヒヤリハット事故が1年後のフォローアップで有意に多く発生していた。

考察と結論
本研究の結果から、IGDは青年期の身体疾患や外傷の発生確率を高める重大な危険因子であることが示された。したがって、IGDリスクを低減し、青少年の身体的・精神的健康を守ることを目的とした介入は必須である。