インターネットゲーム障害の症状レベルと線条体の形態との関連は再現され、社会不安の上昇に対する影響を媒介する可能性がある

  • Klugah-Brown, B., Zhou, X., Wang, L., Gan, X., Zhang, R., Liu, X., Song, X., Zhao, W., Biswal, B. B., Yu, F., Montag, C., & Becker, B. (2022). Associations between levels of Internet Gaming Disorder symptoms and striatal morphology replicate and may mediate the effects on elevated social anxiety. Psychoradiology, kkac020. https://doi.org/10.1093/psyrad/kkac020

概要
背景
インターネットゲーム障害(IGD)では線条体の脳構造変化が頻繁に観察されるが、結果の再現性や社会不安などの社会情動調節障害との関連は未解明である。

研究方法
本研究では、ディメンション・ニューロイメージング法、ボクセル・ワイズ法、データ・ドリブン・マルチバリエイト法を組み合わせ、(1)IGD症状負荷(Internet Gaming Disorder Scale-Short-Form, IGDS9-SFで評価)と線条体積との負の関連性に関する我々のこれまでの結果を再現し、(2)これらの結果を女性個人にも拡張し、(3)多バリエー トおよび仲介モデルを用いてIGDおよび社会不安(Liebowitz Social Anxiety Scale, LSASで評価)に共通の脳構造表現について決定することを目的としている。

研究結果
ボクセル単位の解析により、IGDと両側尾状核の体積の間に負の相関があることが示された。本研究では、男性のみを対象とした先行研究を超えて、右尾状部における関連性が男女ともに同等であることを実証した。さらに、多変量解析を用いた検討により、IGDと社会不安の関連は、尾状核と側坐核の線条体密度表現と領域的に異なることが明らかになった。IGDの高値は社会不安の高値と関連し、その関連は線条体の多変量神経構造密度変動によって決定的に媒介されていた。

結論
線条体体積の変化は、IGD症状の再現可能で一般化できるマーカーである可能性がある。しかし、探索的多変量解析により、線条体密度とIGDおよび社会不安症状との間には、より複雑で部位特異的な関連があることが明らかになった。両者には共通の脳構造表現があり、それがIGDと社会不安の関連性を媒介する可能性がある。