大学生のスマートフォン嗜癖におけるStroop効果

スマートフォン嗜癖(SPA)は、大学生を中心に増加しているが、その理解はまだ十分ではない。本研究では、SPAを持つ学生を対象に、認知心理学から認知制御能力低下の心理的メカニズムを探ることを目的とした。

スマートフォン嗜癖傾向尺度(MPATS)を用いて、SPAを持つ大学生64名(MPATS>45)と性・年齢をマッチさせた対照者64名(MPATS<30)を同定した。

2群は年齢と性別の分布がよく一致した。葛藤状態でのSPA群のRTは628.2±59.2ms、一貫状態での549.4±44.2ms(P < .005)であった。対照群の葛藤状態でのRTは707.5 ± 66.4 vs 582.0 ± 39.4 ms (P < .005)であった。葛藤状態におけるSPA群のエラーは8.7 ± 5.4、対照群のエラーは6.6 ± 3.7 (P < .05)であった。SPA群の反応遅延は25.6 ± 49.2 vs 110.0 ± 41.8 ms (P < .05)であった。

相関分析の結果、SPAとストループ課題の葛藤状態でのミス回数の間に明確な正の相関が認められた。