医大生における知覚されたストレスとスマートフォン嗜癖。否定的感情の媒介と心理的資本の緩和役割

  • Wang, W., Mehmood, A., Li, P., Yang, Z., Niu, J., Chu, H., Qiao, Z., Qiu, X., Zhou, J., Yang, Y., & Yang, X. (2021). Perceived Stress and Smartphone Addiction in Medical College Students: The Mediating Role of Negative Emotions and the Moderating Role of Psychological Capital. Frontiers in Psychology, 12, 660234. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.660234

背景 スマートフォン嗜癖と知覚ストレスの間に極めて密接な関係が存在することは多くの研究で確認されている。しかし、医学部大学生における知覚ストレスとスマートフォン嗜癖の関連性の基盤となる媒介・調整メカニズムは、ほとんど未解明である。

方法 中国黒龍江省の医学部大学生769名を対象に質問票を配布した。参加者は知覚ストレス、スマートフォン嗜癖、ネガティブ感情、心理的資本psychological capitalの測定に取り組んだ。ピアソンの相関分析を用いて、変数間の相関を検証した。モデレートされた調停モデルの分析は、HayesのPROCESSマクロを使用して行われた。

結果 ピアソンの相関分析では、知覚ストレス(r=0.18、p<0.01)とネガティブ感情(r=0.31、p<0.01)はスマートフォン嗜癖と正の相関があり、心理資本はスマートフォン嗜癖と負の相関があった(r=-0.29、p<0.01)。緩和された媒介分析では,ネガティブな感情は知覚ストレスとスマートフォン嗜癖の関連を部分的に媒介し[媒介効果は33.3%,SE=0.10,95%CI=(0.10,0.24)],媒介過程の第一段階は心理資本により有意に緩和された[緩和媒介=-0.01,SE=0.01,95%CI=(-0.01,-0.00)]ことが示唆された。

結論 ネガティブな感情は、知覚ストレスとスマートフォン嗜癖の間で媒介的な役割を果たし、心理的資本は媒介過程の第一段階において重要な調整的な役割を果たす。