ライフスタイルのルーティン活動と自己制御理論の文脈におけるスマートフォン嗜癖とサイバー犯罪被害。サイバー犯罪被害に関するユーザーの二重脆弱性モデル

  • Herrero, J., Torres, A., Vivas, P., Hidalgo, A., Rodríguez, F. J., & Urueña, A. (2021). Smartphone Addiction and Cybercrime Victimization in the Context of Lifestyles Routine Activities and Self-Control Theories: The User’s Dual Vulnerability Model of Cybercrime Victimization. International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(7), 3763. https://doi.org/10.3390/ijerph18073763

(1)背景 本論文では、ライフスタイル-ルーチン活動(L-RAT)理論とセルフコントロール(SCT)理論、およびスマートフォン嗜癖に関する文献を組み合わせ、スマートフォンユーザーをサイバー犯罪の潜在的被害者とする複数の脆弱性に対処する共同モデルを作成した。このモデルは、サイバー犯罪被害に関する二重脆弱性モデルと呼ばれ、全国を代表するスマートフォンユーザーを対象に実証実験が行われた。(2) 方法 スペインのスマートフォンユーザーの全国代表サンプルの2837人のデータを、因果関係モデリングソフトMplusを用いてモデル化した。(3)結果 本研究の結果は、サイバー犯罪被害の説明におけるL-RATとSCTの予測(高暴露・近接・適合性、有能な保護者の相対的不在、低自制心の条件下でサイバー犯罪被害が高い)を確認するものであった。また、スマートフォン嗜癖がサイバー犯罪被害に対して、L-RATやSCTの予測因子以上に有意な効果を示すことが確認された。(4)結論 サイバー犯罪の潜在的被害者は、L-RATやSCTなどの犯罪学的理論が示す脆弱性と、インターネットアクセス機器(本研究ではスマートフォン)の規制緩和・嗜癖に由来する脆弱性の二重の脆弱性を有していると考えられる。