イラン人学生におけるスマートフォン嗜癖尺度短編版(SAS-SV)の信頼性と構成概念妥当性

  • Esmaeilpour, F., Letafatkar, A., Baker, J. S., Dutheil, F., Khazaei, O., Rabiei, P., & Anarinejad, A. (2021). Reliability and construct validity of the smartphone addiction scale short version (SAS-SV) in Iranian students. Journal of Public Health. https://doi.org/10.1007/s10389-021-01529-7

目的
本研究の目的は、イラン人学生の男女を対象に、スマートフォン嗜癖尺度(SAS-SV)の構成概念妥当性と信頼性を調査することである。

研究方法
本研究では、前向き研究デザインのプロトコルを用いた。2019年1月から2019年4月にかけて、388名(男子193名、女子195名、12歳から16歳)がボランティアでSAS-SVの質問票と社会人口学関連の質問票に回答した。SASの信頼性と妥当性を検証するために、因子分析、t検定、ANOVA(平均値比較)、相関分析を実施した。LISREL 8を用いて確認的因子分析を行い、SPSS(バージョン24)を用いてデータ分析を完了した。統計的な有意性はp < 0.05で確立された。

結果
内容の妥当性については、最終的に10問が選択された。SASの内部一貫性と同時検証は、クロンバックのアルファスコア0.85で検証され、そのうちSAS-SVのスコアは統計的に有意な差(p = 0.001)を示し、スマートフォン嗜癖のある人のスコアは37.1であることが明らかになった。さらに、ROC分析の結果、曲線下面積(AUC)値が示された。男子の値は、AUC = 0.974 0.899-1.000, カットオフ = 34, 感度 = 0.882, 特異度 = 0.910でした。女子の値は、AUC = 0.957 0.897-1.000, カットオフ = 37, 感度 = 0.893, 特異度 = 0.893であった。

結論
SAS-SVは,スマートフォン嗜癖を評価する上で良好な信頼性と妥当性を示した。また,SAS-SVは,スマートフォン嗜癖の問題が確認されたイラン人学生の臨床的な診察・評価に用いることができる。