中学生を対象としたスマートフォン嗜癖とスマートフォン利用形態、うつ病、ADHD、ストレス、対人関係トラブル、子育て態度との関連性

  • Hong, Y. P., Yeom, Y. O., & Lim, M. H. (2021). Relationships between Smartphone Addiction and Smartphone Usage Types, Depression, ADHD, Stress, Interpersonal Problems, and Parenting Attitude with Middle School Students. Journal of Korean Medical Science, 36(19), e129. https://doi.org/10.3346/jkms.2021.36.e129

背景
本研究の目的は、中学生のスマートフォン依存症と、スマートフォン利用タイプ、うつ病、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス、対人関係上の問題、子育て態度との関係を検討することであった。特に、本研究で既存のスマートフォン嗜癖の主な予測因子であるうつ病、ADHD、知覚ストレス、対人関係問題、子育て態度を制御した場合、スマートフォン利用タイプがスマートフォン嗜癖をどのように予測するかを明らかにしたいと考えた。

研究方法
本研究の対象者は、地元の中学生487名(女子253名、男子234名)である。測定項目は、スマートフォン嗜癖尺度、患者健康調査票9(PHQ-9)、韓国ADHD評価尺度(K-ARS)、知覚ストレス尺度(PSS)、韓国対人関係問題円形尺度(KIIP-SC)短編、子育て意識尺度であった。相関分析により変数間の関係を明らかにし、階層型重回帰分析によりスマートフォン嗜癖の予測因子を検討した。

結 果
スマートフォン嗜癖に影響を与える要因は、性別(β=3.14、P<0.01)、ストレス(β=2.99、P<0.01)、対人関係上の問題(β=3.81、P<0.001)であった。また、スマートフォン嗜癖の交絡変数をコントロールして、スマートフォン利用形態のスマートフォン嗜癖への影響を調べたところ、ソーシャルネットワークサービス(SNS)(β = 2.66, P < 0.01) と音楽・動画(β = 2.73, P < 0.01) が有意にポジティブに影響し、勉強(β = -2.54, P < 0.05) が有意にネガティブに影響していることが分かりました。そして、これらの要因はスマートフォン嗜癖の分散の29.5%を説明した。

結論
スマートフォン嗜癖に影響が大きい利用形態は、「音楽・動画を楽しむ」「SNSを楽しむ」「勉強をする」の順であった。このことから、主なスマートフォンの利用形態に応じた選択的な介入が効果的であることが示唆された。