子どものスマートフォン嗜癖が睡眠時間に及ぼす影響。性別と年齢による調整効果

  • Yoon, J.-Y., Jeong, K.-H., & Cho, H. J. (2021). The Effects of Children’s Smartphone Addiction on Sleep Duration: The Moderating Effects of Gender and Age. International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(11), 5943. https://doi.org/10.3390/ijerph18115943

背景 スマートフォンは子どもや青少年の生活の重要な一部であり、多くの時間をスマートフォンで過ごすことが多い。本研究は、年齢と性別によって調整されたスマートフォン嗜癖の睡眠時間への影響を正確に発見することを目的とする。材料と方法 本研究で利用したデータは、国立青少年政策研究所の「韓国児童・青少年パネル調査2018′」であり、同調査の青少年計4940人(4年生2399人、7年生2541人)をStata 15.0 Sで分析し、従属変数を睡眠時間、独立変数をスマートフォン中毒の下位因子である適応機能障害、バーチャルライフ志向、引きこもり、耐性とした。性別・年齢による主変数の差異を確認するために独立t検定を実施した。重回帰分析を行い、子どものスマートフォン嗜癖と睡眠時間の関係における性別と年齢のモデレーティング効果を確認した。その結果 第1に、小4の平均睡眠時間は9.17時間、小7は7.96時間で、第2に、睡眠時間は女性より男性で有意に高く、スマートフォン嗜癖には性別による差はなかった。第3に、スマートフォン嗜癖、特に耐性のサブファクターは睡眠時間に有意に影響した。第4に、年齢は睡眠時間に有意に影響し、性別は睡眠時間に緩和的な影響を及ぼした。結論 家族および社会レベルで健全なスマートフォン利用文化を発展させるための介入は、スマートフォン嗜癖とその子どもや青年への悪影響に対する認識を高めるために有益であろう。さらに、青少年全体への包括的な介入を試みるよりも、対象を絞った介入の方が、依存症行動と睡眠時間の修正に効果的であろう。