大学生におけるスマートフォン嗜癖と首、肩、肘、手の筋骨格系疼痛への影響。国際共同研究

  • Ahmed, S., Mishra, A., Akter, R., Shah, M. H., & Sadia, A. A. (2021). Smartphone Addiction and its Impact on Musculoskeletal Pain in Neck, Shoulder, Elbow and Hand Among College Going Students: A Cross Country Study. SSRN Electronic Journal. https://doi.org/10.2139/ssrn.3877184

背景 スマートフォン使用時の長時間の身体露出は、首、肩、肘、手などの痛みを引き起こす姿勢の悪さにつながる。そこで、スマートフォン嗜癖が筋骨格系の痛みに与える影響を調査することを目的とした。

方法 この横断的研究は、バングラデシュとインドの公認機関からランダムサンプリング方式で実施された。18歳から30歳の男女326名が本研究に参加した。参加者は、デモグラフィック、スマートフォン嗜癖尺度(SAS-SF)、首の障害指数(NDI)、肩の痛みと障害指数(SPADI)、オックスフォード肘スコア(OEC)、コーネル手の不快感質問票(CHDQ)を含むパフォーマに記入するよう依頼された。

結果 参加者の平均年齢、体重、身長、体格指数(BMI)はそれぞれ22.58 ± 3.19歳、60 ± 11.30kg、162.83 ± 9.74cm、22.69 ± 4.36kg/m 2であった。スマートフォンを長時間使用した際に、43.3%の参加者が首の痛みを、42.9%が肩の痛みを、27.9%が肘の痛みを訴えた。バングラデシュ人とインド人の間では、NDI (p = 0.047), SPDI (p = 0.005), OES (p = 0.002), CHDQ (p = < 0.001) に有意差がみられた。SASはNDI(p<0.001)、SPDI(p<0.001)、OES(p<0.001)、CHDQ(p<0.001)と有意に関連していた。

結論 スマートフォン嗜癖は、首、肩、肘、手の筋骨格系の痛みに負の影響を与え、正の相関を示した。スマートフォンの安全な使用について注意を払い、この深刻な問題に対する社会的認識を高める必要がある。