対人感受性のスマートフォン嗜癖への影響。調整された媒介モデル

  • Lin, L., Wang, X., Li, Q., Xia, B., Chen, P., & Wang, W. (2021). The Influence of Interpersonal Sensitivity on Smartphone Addiction: A Moderated Mediation Model. Frontiers in Psychology, 12, 670223. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.670223

スマートフォン嗜癖は、過度または強迫的なインターネットの使用と、この使用に対する先入観と制御不能によって特徴付けられる行動依存症で、個人の日常機能を妨げ、否定的な精神過程とその後の社会的影響をもたらすものである。スマートフォン嗜癖は、心身の健康だけでなく、学業成績、睡眠の質、さらには対人交流や人間関係にも悪影響を及ぼす可能性がある。本研究では、代償的インターネット利用理論に基づき、大学生における対人感受性とスマートフォン嗜癖の関係を探り、調整された媒介モデルを構築した。大学生881名のサンプルを対象に、対人感受性尺度、スマートフォン嗜癖尺度、Fear of Missing Out尺度、Relational Self-Construal Scaleを用いて検証を行った。AMOS 26.0を用いて確証的因子分析を行い、SPSS 24.0を用いて仮説の検証を行った。その結果、(1)対人感受性は、欠席恐怖やスマートフォン嗜癖と正の相関があること、(2)欠席恐怖は対人感受性と携帯電話嗜癖の関係を媒介すること、(3)関係的自己構成尺度が対人感受性と欠席恐怖を媒介し、(4)関係的自己構成尺度が欠席恐怖の対人感受性とスマートフォン嗜癖との関係への媒介作用を媒介したことが示された。我々は、スマートフォン嗜癖と対人感受性の関係に対して、欠落恐怖と関係性自己構成が緩和された媒介効果を果たしていると結論づけた。本研究結果は、いくつかの理論的含意をもたらした。具体的には、スマートフォン嗜癖の研究に新たなアプローチを提案したことに加え、スマートフォン嗜癖の心理療法や介入に理論的根拠を提示したことである。さらに、本研究は、教育実践者にとっても示唆に富むアイデアを提供するものである。