親のうつ病が子どものスマートフォン嗜癖に与える影響。親によるネグレクトおよび子どもの自尊心との系列的調整モデル

  • Mun, I. B., & Lee, S. (2021). The Impact of Parental Depression on Children’s Smartphone Addiction: A Serial Mediation Model With Parental Neglect and Children’s Self-Esteem. Social Science Computer Review, 089443932110375. https://doi.org/10.1177/08944393211037579

本研究では、親のうつ病と子どものスマートフォン嗜癖の関係性について、そのメカニズムを調査している。親のうつ病が子どものスマートフォン嗜癖に及ぼす影響と、この関係における親のネグレクトと子どもの自尊心の媒介的な役割を探り、順次増殖させる。我々は、「韓国の子どもに関する全国一般調査」の子ども2,396人とその親からなるデータ(親子二人組)を利用する。まず、階層回帰分析により、親のうつ病が子どものスマートフォン嗜癖を有意かつポジティブに予測することが示された(B = .29, SE = .03, p < .001)。次に、媒介効果を検証するために実行したヘイズのPROCESSマクロ(モデル6)により、子どものスマートフォン嗜癖に対する親のうつ病の効果は、親の無視(B = .07, Boot SE = .01, 95% Boot CI [.05, .10] )と子どもの自尊心(B = .12, Boot SE = .01, 95% Boot CI [.10, .14] )により、有意に媒介されることが明らかになった。さらに、系列媒介モデルの結果は、親のネグレクトと子どもの自尊心が親のうつ病と子どものスマートフォン嗜癖の関係を系列的に媒介することを支持し(B = .02, Boot SE = .004, 95% Boot CI [.01, .03] )、親のうつ病レベルが高ければ、親のネグレクトが増加して子どもの自尊心が下がり、結果として子どものスマホ依存を加速させると示唆するものであった。この結果の理論的・実践的な意味と、今後の研究の方向性について議論する。