大学生におけるスマートフォン嗜癖を媒介とした心の柔軟性と身体症状障害との関連性

  • Feizollahi, Z., Asadzadeh, H., Bakhtiarpour, S., & Farrokhi, N. (2021). Association between mental flexibility and somatic symptom disorder mediated by smartphone addiction among university students. Social Determinants of Health, 7(Vol. 7 (2021): Continous Issue), 1–10. https://doi.org/10.22037/sdh.v7i1.34722

背景 スマートフォン嗜癖は、思春期・青年期において、教育や身体的健康など生活の多くの側面に影響を及ぼし、対人関係の問題や怒り、攻撃性、情動の低下などの問題を伴う行動嗜癖として分類される。本研究では、2020年の大学生を対象に、スマートフォン嗜癖を媒介とした精神的柔軟性と身体表現との関連性を評価することを目的とした。

方法は以下の通りである。本研究は、パス分析を用いて行われた記述的相関である。研究対象者は、2020-2021年度のアフバズ・イスラム・アザド大学の全学生で、単純無作為抽出により251名を選出した。本研究では、身体症状経験質問票(SSEQ)、スマートフォン嗜癖尺度(SAS)、認知柔軟性目録(CFI)を利用した。提案されたモデルは、AMOSバージョン23.0ソフトウェアによるパス分析を用いて評価された。

結果 精神的柔軟性とスマートフォン嗜癖の間には,負の有意な関連が見られた(β=-0.47,P=0.001)。さらに、スマートフォン嗜癖と身体表現(β=0.41、P=0.001)には正の相関があった。精神的柔軟性と身体表現との間には、有意な関連は見られなかった(β=-0.10、P=0.07)。パス分析の結果、大学生の精神的柔軟性と身体表現との関連において、スマートフォン嗜癖が媒介的役割を果たすことが示された(β=-0.27、P=0.001)。

結論 我々のモデルは良好な適合性を有しており,その結果,スマートフォン嗜癖を有する大学生の身体症状障害に影響を及ぼす側面を特定する重要なステップとして有用であると考えられる。