COVID-19以降の低所得者層の少年におけるスマートフォン嗜癖とうつ病。一人っ子であることの緩和効果

  • Lee, J., Lim, H., Allen, J., Choi, G., & Jung, J. (2021). Smartphone Addiction and Depression among Low-Income Boys since COVID-19: The Moderating Effect of Being an Only Child. Healthcare, 9(10), 1350. https://doi.org/10.3390/healthcare9101350

男子のうつ病が重要視され、COVID-19以降、スマートフォンの利用が増加しているにもかかわらず、低所得の中高生男子のうつ病について、兄弟がいるかどうかという文脈でほとんど知られていない。そこで、本研究では、スマートフォン嗜癖とうつ病の関係を調べるとともに、一人っ子であることが関係性に及ぼす調整効果について検討した。参加者は、家庭が低所得とみなされる中高生に限定した。最終的なサンプルとして、低所得の少年129名を抽出した。調整効果の特定には、統計的製品・サービスソリューションのPROCESSマクロ3.4を使用した。低所得の男子学生において、スマートフォン嗜癖はうつ病と正の相関があった。一人っ子であることは、スマートフォン嗜癖とうつ病の関係を有意に調整した。本研究は、COVID-19以降、男子中学生のメンタルヘルスの問題を調べることの重要性、特に低所得者層の男子の理解に寄与するものである。低所得家庭の男子中学生に対して、テーラーメイドのメンタルヘルスサービスを提供することが必要である。一人っ子の思春期男子には、スマートフォンを使わずに友人や仲間と安全に交流するための代替活動や社会的プログラムを提供することが必要である。