スマートフォン嗜癖は不眠症患者の主観的睡眠と客観的睡眠の不一致と関連する

  • Lee, J., Jung, H.-Y., Lee, S. I., Youn, H., & Kim, S.-G. (2021). Smartphone Addiction Proneness Is Associated With Subjective-Objective Sleep Discrepancy in Patients With Insomnia Disorder. Psychiatry Investigation, 18(11), 1035–1043. https://doi.org/10.30773/pi.2020.0360

目的
不眠症患者の主観的な報告には、客観的な睡眠評価との間にしばしば不一致が見られる。我々は、不眠症患者における主観的・客観的睡眠の不一致と、その不一致に関連する心理的要因について評価することを目的とした。


研究方法
本研究は、18歳から59歳の不眠症の成人110名を対象とした無作為化比較試験のベースラインデータの二次解析である。睡眠の不一致の測定には、睡眠に関する主観的な報告と、夜間睡眠ポリグラフィーによって取得された客観的な測定値が使用された。スマートフォン嗜癖尺度(SAPS)、疫学研究センターうつ病尺度(CES-D)、ベック不安目録(BAI)、最近のストレスのグローバル評価(GARS)を用いて、睡眠の不一致と関連する心理的要因を評価した。


結果
参加者の平均総睡眠時間(TST)不一致は-81.65±97.41分であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、年齢(調整済みOR=1.07、95%CI=1.01-1.13、p=0.027)、教育年数(調整済みOR=0.69、95%CI=0.48-0.91、p=0.017)、スマートフォン嗜癖(調整済みOR=1.14、95%CI=1.04-1.27、p=0.008)はTST誤認の独立予測因子となることが判明しました。参加者の平均睡眠開始潜時(SOL)不一致は41.28±45.01分であった。不安のみがSOL誤認の独立した予測因子であった(調整後OR=1.16, 95% CI=1.05-1.31, p=0.006)。


結論
本研究は、主観的-客観的な睡眠の不一致に関連する様々な要因の理解を深めるための実証的な証拠を提供するものである。スマートフォン嗜癖のある不眠症患者をスクリーニングすることで、強力な予測につながる可能性がある。