I-PACEモデルの枠組みを選択した中国留学生のスマートフォン嗜癖の心理メカニズムの探索

  • Mehmood, A., Bu, T., Zhao, E., Zelenina, V., Alexander, N., Wang, W., Siddiqi, S. M., Qiu, X., Yang, X., Qiao, Z., Zhou, J., & Yang, Y. (2021). Exploration of Psychological Mechanism of Smartphone Addiction Among International Students of China by Selecting the Framework of the I-PACE Model. Frontiers in Psychology, 12, 758610. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.758610

I-PACE(interaction of person-affect-cognition-execution) モデルでは、依存症の原因は、個人の感受性(遺伝や性格)、精神病理的要因(負の感情)、認知・感情要因の相互作用の結果であると説明されている。スマートフォン嗜癖の問題とその顕在化した影響は、現在、社会的に不可欠な謎となりつつある。本研究は、外国人留学生のスマートフォン嗜癖のメカニズムを、個人的要因、感情的要因、認知的要因、実行的要因がどのように加速させるかを探ることを目的としている。本研究では、無作為に抽出された600人の留学生を母集団とした。参加者全員に自記式質問票の記入を依頼した。アンケートには、デモグラフィック(性別、滞在地、教育レベル、スマートフォン使用理由)、携帯電話嗜癖指数、孤独感尺度(UCLA)、ローゼンバーグ自尊心尺度、ベックうつ病目録、知覚ストレス尺度、アイゼンク人格質問票、簡易対処スタイル質問票などが含まれた。統計解析はSPSSを使用して行った。留学生の20.3%(n=122)がスマートフォン嗜癖で悩んでおり、79.7%(n=478)が平均的なレベルでスマートフォンを利用している。学生の滞在先、神経症的性格、社会的望ましさ、自尊心、孤独感、抑うつ、知覚ストレス、受動的対処がスマートフォン嗜癖と関連していることが示された。孤独感、神経症的性格、うつ病、低い自尊心、ストレス、受動的対処はスマートフォン嗜癖の危険因子である一方、孤独感とうつ病は他の変数の中でも強い正の有意な相関を示している。本研究により、留学生はスマートフォン嗜癖の高リスク群であることが明らかになった。学生の行動や精神に大きな影響を及ぼしている。複数の社会的、心理的、感情的、認知的要因がスマートフォン嗜癖に影響する。学業上の目標を達成するために、スマホの使用を制限し、他の健康的な身体活動にふけるように指示することが有益である。