青年期における自己矛盾の一致とスマートフォン嗜癖。主観的幸福感の媒介作用とジェンダーの調整作用について

  • Li, Y., Ma, X., Li, C., & Gu, C. (2021). Self-Consistency Congruence and Smartphone Addiction in Adolescents: The Mediating Role of Subjective Well-Being and the Moderating Role of Gender. Frontiers in Psychology, 12, 766392. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.766392

思春期のスマートフォン嗜癖は、教育環境におけるインターネット技術の普及により、ますます研究者の注目を集めている。また、先行研究では、スマートフォン嗜癖と自己矛盾整合性self-consistency congruence、主観的幸福感の間には複雑な関係があることが分かっている。本研究では、主観的幸福感が自己矛盾整合性と思春期のスマートフォン嗜癖の関係を媒介するかどうか、また、性別が媒介過程を緩和するかどうかを検討するために実施した。中国の青年1,011名が、自己矛盾合致性、主観的幸福感、スマートフォン嗜癖を測定する自己報告式質問票に回答した。自己矛盾の一致はスマートフォン嗜癖の有意な予測因子であることが示された。さらに、主観的幸福感は自己矛盾合致度と青年期のスマートフォン嗜癖の関連を部分的に媒介した。性別は媒介過程を調節する可能性があり、男子と比較すると、女子の自己矛盾合致性と主観的幸福感はより媒介されやすいと考えられる。この知見は、思春期のスマートフォン嗜癖とその破壊的影響を最小限に抑えるための介入策を開発する学者の指針として役立つと想定される。