音楽消費、セルフコントロール、スマートフォン嗜癖:二重システム理論の視点と調査研究からのエビデンス

  • Ning, W., Davis, F. D., & Riedl, R. (2022). Musical consumption, self-control and smartphone addiction: A dual-systems theory perspective and evidence from a survey study. Internet Research, 32(3), 657–679. https://doi.org/10.1108/INTR-07-2020-0365

目的この10年でスマートフォンの普及率は先進国でほぼ100%に達しており、これは機能の進歩が主な要因である。本研究の目的は、スマートフォン中毒者が増加し、スマートフォンを介して音楽を消費する人が著しく増加していることから、音楽消費がスマートフォン嗜癖に影響を与える根本的なメカニズムを探ることにある。設計・方法・アプローチ二重システム理論に基づいて、システム1(音楽に関する感情)およびシステム2(自己統制)のスマートフォン中毒への影響を明らかにする研究モデルを開発した。294名の調査対象者を対象に、偏最小二乗法を用いてモデルを検証した。結果実証データから研究モデルが確認された。システム1について、音楽的感情は音楽消費と音楽反応を通じてスマートフォン嗜癖に正の影響を与えた。さらに、音楽的嗜好は音楽的反応に有意な影響を与えた。システム2に関して、自己制御はスマートフォン中毒を否定的に予測した。研究の限界/示唆参加者が大学生であり、すべての集団を代表しているわけではないため、研究は限定的である。オリジナリティ/価値本研究は、情報技術利用のダークサイドに関する文献を拡張し、情報システム(IS)研究における音楽の考察に関するGefen and Riedl(2018)による研究課題を補完するものであった。