大学生の問題解決能力に及ぼすスマートフォン嗜癖、性格特性、達成動機の影響について

  • Ran, Y. (2022). The Influence of Smartphone Addiction, Personality Traits, Achievement Motivation on Problem-solving Ability of University Students. Journal of Psychology and Behavior Studies, 2(1), 05–16. https://doi.org/10.32996/jpbs.2022.2.1

本研究は、スマートフォン嗜癖、性格特性、達成動機と問題解決能力の関係を分析し、スマートフォン嗜癖、性格特性、達成動機が大学生の問題解決能力に与える影響を探ることを目的とした。中国の公立大学の学生682名(男性=227名、女性=455名)が自発的に研究に参加した。データは、スマートフォン嗜癖尺度短編版、10項目性格目録、達成動機尺度、社会的問題解決目録によって収集された。データの分析には、相関関係および重階層回帰分析を用いた。その結果、以下のような結果が得られた。まず、スマートフォン嗜癖と達成動機・問題解決能力の間に有意な負の相関、達成動機と問題解決能力の間に有意な正の相関、性格特性とスマートフォン嗜癖・問題解決能力の要因の間にそれぞれ有意な相関があることがわかった。次に、性格特性の情緒安定性、スマートフォン嗜癖、達成動機の「失敗への恐れ」下位次元が問題解決能力を有意に説明することが明らかになった。これらの研究結果を踏まえ、教育現場の改善に向けたいくつかの示唆が得られた。