青少年におけるデジタルメディアの利用と注意欠陥・多動症のその後の症状との関連性

要旨
重要性 現代のデジタルプラットフォームは容易にアクセスでき、強い刺激を与える。デジタルメディアの頻繁な使用が注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状と関連するかどうかは不明である。

目的

ADHD症状が顕著でない15~16歳のデジタルメディアの利用頻度が、24ヵ月間の追跡調査において、その後のADHD症状の発現と関連するかどうかを明らかにすること。

デザイン、設定、参加者

カリフォルニア州ロサンゼルス郡の高校10校の生徒の縦断的コホートをコンビニエンスサンプリングで募集。2014年9月(10年生)から2016年12月(12年生)まで、ベースライン調査および6ヵ月、12ヵ月、18ヵ月、24ヵ月追跡調査を実施した。対象生徒4100人のうち、10年生3051人(74%)がベースライン評価時に調査を受けた。

曝露

自己報告された14種類の現代的デジタルメディア活動の直前1週間の高頻度利用を1日何回(はい/いいえ)と定義し、累積指数で合計した(範囲、0~14)。

主な結果および測定法

調査前6ヵ月間における18のADHD症状(全くない/まれ、時々ある、よくある、非常によくある)の頻度を自己評価した。生徒が「よく経験する」または「非常によく経験する」と評価した不注意症状9項目(範囲、0~9)および多動-衝動症状9項目(範囲、0~9)の合計数を算出した。いずれかのカテゴリーで6つ以上の症状を「よく経験する」または「非常によく経験する」と報告した生徒をADHD症状陽性と分類した。

結果

ベースライン時に有意なADHD症状を認めなかった2587名の青年(適格生徒63%;女子54.4%;平均[SD]年齢15.5歳[0.5歳])において、追跡期間の中央値は22.6ヵ月(四分位範囲[IQR]、21.8~23.0ヵ月)であった。ベースライン時に高頻度に利用されていたデジタルメディア活動の平均(SD)数は3.62(3.30)であり、1398人(54.1%)の生徒がソーシャルメディアをチェックする頻度が高い(95%信頼区間、52.1%~56.0%)と回答した。ベースライン時の追加的な各デジタルメディア活動への高頻度の関与は、追跡調査にわたってADHDの症状を有する有意に高いオッズと関連していた(OR、1.11;95%CI、1.06-1.16)。この関連は、共変量調整後も持続した(OR、1.10;95%CI、1.05-1.15)。ベースライン時に高頻度のメディア利用がなかったと報告した495人の生徒の追跡調査期間中のADHD症状の平均有病率は4.6%であったのに対し、高頻度の活動が7回あったと報告した114人の生徒の平均有病率は9.5%(差;4.9%;95%信頼区間;2.5%-7.3%)、高頻度の活動が14回あったと報告した51人の生徒の平均有病率は10.5%(差;5.9%;95%信頼区間;2.6%-9.2%)であった。

結論と関連性

2年間追跡調査した青少年において、デジタルメディアの使用頻度が高いことと、その後のADHDの症状との間には、統計的に有意であるが緩やかな関連が認められた。この関連が因果関係があるかどうかを判断するためには、さらなる研究が必要である。