WHOとAPAのゲーム行動症候の枠組みにおける精神病理学的症状、生活満足度、性格特性の比較: 計量心理学的検討

  • Bäcklund, C., Sörman, D. E., Gavelin, H. M., Király, O., Demetrovics, Z., & Ljungberg, J. K. (2024). Comparing psychopathological symptoms, life satisfaction, and personality traits between the WHO and APA frameworks of gaming disorder symptoms: A psychometric investigation. Scandinavian Journal of Psychology, sjop.13010. https://doi.org/10.1111/sjop.13010

はじめに
アメリカ精神医学会のDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:精神疾患の診断と統計マニュアル)にインターネット・ゲーム障害(IGD)が追加され、世界保健機関(WHO)のICD-11(International Classification of Diseases:国際疾病分類)にゲーム障害が追加された。本研究では、ゲーム行動障害テスト(GDT)、10項目のインターネット・ゲーム行動障害テスト(IGDT-10)、5項目のゲーム行動障害テスト(GDT-5)の心理測定学的特性を調査し、精神病理学的症状、生活満足度、性格特性の観点から、WHOとAPAのゲーム行動障害症状の枠組みを比較することを目的とした。

方法
スウェーデンのゲーマー723人(女性29.8%、男性68.3%、その他1.9%、年齢29.50歳、SD=8.91)を対象とした。

結果
その結果、2つの枠組みで推定される可能性のあるリスク群に関して顕著な違いが示された。しかし、ゲーム行動症症状と性格特性、生活満足度、精神病理学的症状との関連は、2つの枠組みで一貫していた。結果は、GDT、IGDT-10、GDT-5の1因子モデルを支持する優れた心理測定特性を示し、良好な信頼性推定値(McDonaldのω)や構成概念妥当性の証拠を含んでいた。さらに、結果は、GDT、IGDT-10、およびGDT-5の完全な性別および年齢測定不変性を示し、ゲーム行動症候がサブグループ間で等しく測定されることを示した。

結論
これらの結果は、IGDT-10、GDT-5、およびGDTが、ゲーム行動症の症状を評価するための適切な尺度であり、スウェーデンにおける今後の研究を促進するものであることを示している。