児童思春期外来嗜癖治療クリニックの患者における精神疾患と嗜癖関連疾患との関係の分析

  • Jandac, T., & Stastna, L. (2024). Analysis of the Relationship between Psychiatric and Addiction-Related Disorders in Patients of an Outpatient Addiction Treatment Clinic for Children and Adolescents. Children, 11(4), 414. https://doi.org/10.3390/children11040414

はじめに 二重診断Dual diagnosis とは、嗜癖医学において、同一人物に嗜癖に関連した障害と別の精神障害が併存していることを指す。思春期は精神疾患と嗜癖の両方が発症する重要な時期である。目的 本研究の目的は、2015~2022年にプラハのカレル大学第1医学部の児童・思春期のための外来嗜癖治療クリニックの患者における精神疾患と嗜癖関連障害の関係を記述することである。方法 データは、患者の基本的な診断データを収集する病院の医療システムからレトロスペクティブに分析した。記述統計とクラスター分析を行い、精神疾患と嗜癖関連疾患の関係を明らかにした。結果 450人の患者のうち、153人(34%)が二重診断の基準を満たした。最も多かった嗜癖関連障害は、カンナビノイドの使用による精神・行動障害(35%)とインターネットゲーム障害(35%)であった。最も一般的な精神医学的診断は、小児期および青年期に通常発症する行動・感情障害(64%)であり、男児よりも女児の有病率が低かった。結論 これらの知見は、小児や青年における危険行動や嗜癖の診断と治療にとって重要であろう。