大学生のゲーム行動症、ADHDと学業成績の関係: 媒介分析

本研究は、ゲーム行動症(GD)と注意欠陥・多動性障害(ADHD)、および成績平均点(GPA)の交差について、これらの障害に関する研究で見落とされがちな重要な層である大学生を対象に調査したものである。348人の大学生をサンプルに、GDのリスクを調べるIGD-20テスト、ADHDの症状を調べる成人ADHD自己報告尺度(ASRS-v1.1)、学業成績の指標としてのGPAを用いて分析を行った。その結果、調査対象サンプルの4.3%がGDの範囲内であった。有病率は男性で高く、男性コホートの5.3%が罹患していたのに対し、女性コホートでは1.2%であった。ADHDの有病率は、非GD群(24.2%)よりもGD群(35.7%)の方が有意に高かった。さらに、ADHD症状は男性よりも女性の方がGDの強い予測因子であることがわかった。ゲーム行動症の媒介的役割を取り入れながら、本研究では、ADHDが学業成績に与える影響において、GDがどのように媒介的役割を果たすかも探っている。これらの障害の間の複雑な関係を検討することによって、我々の知見は、GDが学業成績に対するADHDの悪影響を悪化させることを示唆し、それによってゲーム障害がこの力学の橋渡し役として働く可能性を強調した。この媒介分析により、ADHDがGDを通じて間接的に学業成績にどのような影響を与えるかが明らかになった。本研究では、ADHD症状とGDの重症度の間に正の相関があり、それが学業成績と負の相関があることを明らかにした。さらに、この知見は、ジェンダーに配慮した介入の必要性を強調し、学業環境におけるADHDとGDの併存を考慮することの重要性を強調し、ADHDの生徒におけるGDの系統的なスクリーニングを提唱している。ADHDとGDがもたらす二重の課題は、学業や心理社会的な逆境への拡大を防ぐために対処されるべきである。