イタリアにおけるインターネットゲーム障害質問票の要因構造:単一要因の疾患か、多面的な状態か?

  • Milani, L., & Gentile, D. A. (2024). Factorial structure of the Internet Gaming Disorder questionnaire in the Italian setting: A single-factored ailment or a multifaceted condition? European Child & Adolescent Psychiatry. https://doi.org/10.1007/s00787-023-02322-5

はじめに
DSM-5によると、インターネットゲーム障害(IGD)は行動嗜癖のひとつであり、さらなる研究が必要である。青少年におけるIGDは、不安、抑うつ、注意の問題、対人関係の問題、社会恐怖、行動の問題、学業成績の低下と相関している。本研究の目的は、イタリア語版IGD質問票の因子構造に関する予備的データを提供することで、この障害の理解に貢献することである。

参加者
イタリア人学生612名(女性323名)、平均年齢13.94歳(SD=2.44)。調査方法:IGD質問票、Internet Addiction Test (IAT)、Children’s Coping Strategies Checklist (CCSC-R1)、Assessment of Interpersonal Relations (AIR)、Child Behavior Checklist (CBCL)。

結果
参加者の15.2%がサブクリニカルIGDを示し、2.1%が完全な診断基準を満たした。IGDの参加者は、対人関係の得点が低く、対処戦略が悪く、外在化の得点が高かった。IGD質問票の因子構造では、4因子(「嗜癖」、「対処としてのゲーム」、「コントロール障害」、「否定的な結果」)が強調され、分散の52.14%を説明した。1因子解もテストされ、結果は4因子解と首尾一貫しているようで、より少ない分散を説明している。

結論
IGDは複雑な臨床症状であり、単因子としても多因子としても考えられる。