日本人成人を対象とした2つの独立した大規模オンライン調査における、ゲームジャンル、ゲーム内課金、プレイ時間とゲーム障害の可能性との関係

  • Oka, T., Kubo, T., Murakami, M., & Kobayashi, N. (2024). The relationship of game genres, in-game purchases, and playing duration with probable gaming disorder in two independent, large-scale online surveys of Japanese adults. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2023.00076

背景と目的 ゲームのジャンル、スマートフォンでの利用可能性、ゲーム内課金、プレイ時間などがゲーミング障害(GD)に影響すると考えられてきた。しかし、それらとGDとの関係を包括的に検討した研究は少ない。そこで本研究では、GDとゲーム内課金、ゲーム機やスマートフォンでのゲームプレイ時間、スマートフォンゲームのジャンルとの関連を検討した。研究1では自己申告に基づき、研究2では客観的データを用いてこれらの関連を明らかにした。

方法 社会人口統計データ、ゲーム利用パターン、GD重症度を含む精神病理学的評価データを収集する2つの独立したオンライン調査を実施した(研究1:N = 32,690、研究2:N = 3,163)。研究2では、一般的な精神疾患スコアと客観的なゲーム時間も収集した。

結果 研究1では、ゲーム内課金、いくつかのゲームジャンル、主観的ゲーム時間がGDの可能性と正の関連を示した。一方、カードゲームとルートボックス課金の相互作用は、GDの可能性と負の相関を示した。研究2では、ほとんどのゲームジャンルの客観的ゲーム時間はGDと関連していなかった。主観的ゲーム時間と客観的ゲーム時間の相関は中程度であったが、GDとの相関は異なっていた。

考察と結論 これらの結果は、GDとゲーム内課金、ジャンル、ゲーム時間との関係が複雑であることを示唆している。本研究の結果は、社会生活における実際の機能障害を反映したGDの適切な評価の重要性を示唆している。今後の研究では、ゲームに関する評価の改善と更新が必要である。