ルートボックスは嗜癖への扉を開くか?ルートボックス購入に高額課金したゲーム障害の症例報告

  • Inaguma, T., Misumi, S., Funatogawa, T., Nemoto, T., Harima, H., & Mizuno, M. (2024). Does the loot box open the door to addiction? A case report of gaming disorder with high charges for loot box purchases. Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports, 3(1), e167. https://doi.org/10.1002/pcn5.167

ルートボックスとはゲーム用語で、ゲーム体験を高めるアイテムをランダムに提供する電子くじのことである。近年、ルートボックスはゲーム障害(GD)の危険因子として取り上げられることが多くなっている。本論文では、ガチャと呼ばれる日本のルートボックスの使用により、多額の金銭的負担を強いられたGDの症例を紹介する。ルートボックスの仮想アイテムの選択におけるランダム性はギャンブルに似ており、報酬システムを誘発し、さらにルートボックスを購入する嗜癖を助長する。治療目的のためには、ルートボックス購入の動機を理解し、個人の発達特性を考慮することが、患者がゲーム以外の活動で満足感や達成感を見出せるようにするために極めて重要である。