青年期のストレスと自殺リスク:問題あるインターネット利用、ゲーム障害、感情調節の役割

  • Chamarro, A., Díaz-Moreno, A., Bonilla, I., Cladellas, R., Griffiths, M. D., Gómez-Romero, M. J., & Limonero, J. T. (2024). Stress and suicide risk among adolescents: The role of problematic internet use, gaming disorder and emotional regulation. BMC Public Health, 24(1), 326. https://doi.org/10.1186/s12889-024-17860-z

背景 先行研究では、ビデオゲームのプレイやソーシャルメディアの利用は、ストレス対処の低下や感情調節戦略の乏しさとともに、自殺行動と関連している。自殺行動と関連する因子に関して決定的な証拠がないため、本研究では先行研究の限界を克服することを目的とし、青年期のストレス、問題あるインターネット利用(PIU)、ゲーム障害(GD)、感情調節(ER)の関係を横断デザインで検討した。ストレスは自殺リスク(SR)に直接的な影響を及ぼすだけでなく、PIU、GD、ERによって媒介されるという仮説が立てられた。

方法 参加者は16~19歳の青年430名(男性58.4%)。彼らは、モバイル関連経験質問票、インターネットゲーム障害尺度(Internet Gaming Disorder Scale-Short Form)、メタ気分特性修復尺度(Meta-Mood Trait Repair Scale)、スペイン語版自殺行動質問票を含むオンライン調査に回答した。

結果 青少年の34.2%(N=147)がSRのリスクを有していた。また、30.7%が人生のどこかの時点で自殺念慮を経験し、12.1%が少なくとも1回は自殺によって死ぬ計画を持ち、5.1%が自殺未遂を経験していた。パス分析の結果、ストレスが自殺の危険因子であることが確認されたが、その影響はPIUによって媒介されなかった。しかし、ERとGDはストレスのSRへの影響を媒介した。この結果は、ストレスが自殺の主要な危険因子であることを示唆しており、特に感情調節が不十分であったり、ゲームに問題を抱えたりしている青年の間で、ストレスが自殺の主要な危険因子であることを示唆している。

結論 青年期における自殺の有病率を考慮すると、本研究の結果は、高校生の早い段階から感情調節戦略、ストレス対処、ビデオゲーム管理スキルを自殺予防プログラムに含めるべきであることを示唆している。このような保護的資源を青年に提供することは、青年期に典型的なストレスフルで変化しやすい状況に立ち向かう助けとなり、彼らがより大きな幸福と人生への満足を獲得する助けとなるであろう。