注意欠陥/多動性障害患者におけるインターネットゲーム障害およびインターネット嗜癖に対するメチルフェニデートの有効性

  • Salvati, A., Sesso, G., Lenzi, F., Masi, G., & Berloffa, S. (2024). Efficacy of Methylphenidate for Internet Gaming Disorder and InternetAddiction in Patients with Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder. Current Pharmaceutical Design, 30(6), 477–483. https://doi.org/10.2174/0113816128281014240124074845

背景 インターネットゲーム障害(IGD)とインターネット嗜癖(IA)は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)としばしば併存する関連臨床疾患である。

目的 我々は、ADHD患者のIGD/IA症状に対するMPHの有効性を評価した。

方法 ADHD(注意欠陥/多動性障害)とIGD/IAと診断された薬剤未投与の患者38人を登録した。ベースライン時、全患者はIGD/IA症状の臨床評価を受け、その後、臨床プロファイルに従って最も適切な治療を受けた。21人の患者はMPH(methylphenidate)治療を受け、17人の患者は受けなかった。患者は治療開始3ヵ月後に再評価を受けた。

結果 その結果、IGD/IA症状は経時的に有意に軽減したが、MPHの症状軽減に対する有意な効果は認められなかった。症状軽減の臨床的予測因子として、IQ(知能指数)や不安の併存が同定された。

結論 この縦断的前向き研究は、ADHD患者におけるIGD/IA治療の理解に貢献し、治療反応を予測する際に個々の臨床的特徴を考慮することの重要性を強調するものである。しかし、MPHはIGD/IAの症状軽減には直接影響しない可能性がある。