自閉症スペクトラム障害および注意欠陥多動性障害のある児童青年におけるインターネットゲーム障害

  • Simonelli, V., Narzisi, A., Sesso, G., Salvati, A., Milone, A., Viglione, V., Tolomei, G., Masi, G., & Berloffa, S. (2024). Internet Gaming Disorder in Children and Adolescents with Autism Spectrum Disorder and Attention Deficit Hyperactivity Disorder. Brain Sciences, 14(2), 154. https://doi.org/10.3390/brainsci14020154

注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)は、オンラインゲームを含む行動嗜癖のリスク上昇と関連している。しかし、これら2つの疾患とインターネットゲーム障害(IGD)との関係については、まだ議論が続いている。本研究の目的は、ASDの青少年とADHDの青少年の連続サンプルにおけるIGDの有病率を、正常対照群と比較し、またIGDの有無にかかわらずASD患者とADHD患者における選択された精神病理学的および神経心理学的特徴を評価することによって、このトピックに取り組むことである。本研究では、77名のASD患者(男性67名、平均年齢13.58±2.75歳)、94名のADHD患者(男性79名、平均年齢11.46±2.47歳)、147名の健常対照者(NC)(平均年齢13.9±3.0歳、男性114名)を対象とし、IGDの構造化測定(IAT、IGDS9-SF、UADI)を行った。ADHD群では、サンプルの72.34%がIGDのカットオフ値を超えていたのに対し、ASD群では45.45%、NC群では9.5%であった。IGDを有するASD患者は、より重症度が高く、より深刻な注意の問題を示したが、ASDの中核症状にはIGDの有無による差はなかった。IGDの有無によるASD群とADHD群の比較では、IGDを有するASD患者がCGI(Clinical Global Impression)尺度によると最も重症であった。ASD患者45人を対象とした追跡調査では、CGIとCGAS(Children’s Global Assessment Scale)のスコアに改善がみられたが、IGD症状には改善がみられなかった。これらの知見は、ビデオゲーム嗜癖の側面の追跡調査において、ASDの診断がADHDと比較して予後を悪化させる因子であると位置づけることができる。