インターネットゲーム障害にみられる禁断症状に関連した感情、ゲーム衝動、快感消失症状について

  • Yen, J.-Y., Lin, P.-C., Wu, H.-C., & Ko, C.-H. (2022). The withdrawal-related affective, gaming urge, and anhedonia symptoms of internet gaming disorder during abstinence. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00008

研究目的
本研究では、ゲーム断ち中の自律神経反応、情動症状、快感消失、ゲーム衝動などのIGD離脱関連呈示を探索する。ゲーム断ち中のこれらの離脱関連症状(WRS)とゲームへの渇望を前向きに評価した。

研究方法
IGD患者69名と常習ゲーマー69名を対象に、WRS(探索的質問紙)、感情・行動WRS(ゲーム衝動に関する質問紙-簡易版ゲーム障害質問紙)、心拍数を調査した。参加者は全員、評価前にゲームから離れることを試みた。その後、一部の参加者について、ゲームを行う前のWRSとゲームへの渇望を前向きに評価した。

結果
IGD群では、85.5%がゲームWRS(感情症状、快感消失、ゲーム衝動症状)を経験した。彼らはゲームによってこれらの症状を緩和することができた。IGD群では、通常のゲーマー群に比べ、ゲームWRS、ゲームへの渇望、心拍数の上昇がより重度であった。ゲーム衝動は、IGDのWRSに最も関連していた。IGDの参加者は、評価前のゲーム中断期間が短いほど、より深刻なゲームへの渇望を経験した。評価後のゲーム断ちを維持した場合、夜間と翌朝にWRSが減衰した。

結論
IGD患者では、禁断症状に関連した情動、快感消失、ゲーム衝動症状がみられ、禁断期間中は心拍数が高くなった。WRSは1日で減衰した。ゲームによってこれらの症状が緩和されることに、ほとんどの参加者が同意した。ゲーム離脱症状を包括的に理解するためには、十分なサンプル数での客観的評価によるさらなる前向きな評価が必要である。