ゲーム時間とゲーム行動症の関連における精神的健康のモデレーティングの役割

  • Koncz, P., Demetrovics, Z., Paksi, B., Magi, A., Eisinger, A., & Király, O. (2022). The moderating role of mental health on the association between gaming time and gaming disorder symtoms. European Psychiatry, 65(S1), S81–S81. https://doi.org/10.1192/j.eurpsy.2022.246

はじめに
ビデオゲームは、最も人気のある余暇活動の一つである。大多数のゲーマーは健全にプレイしているが、少数派ながらゲーム行動症(GD)の症状を呈し、生活に悪影響を及ぼすことがある。ゲーム時間はゲーム行動症と中程度の関連性があるが、それだけでは信頼できる予測因子ではないことが研究で示唆されている。

研究の目的
本研究の目的は、うつ病症状、自尊心、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、逃避(ゲームが日常的な問題の回避を動機としている場合)が、ゲーム時間とGD症状の関連性を修飾するかどうか、またそれが男子と女子で異なるかどうかを調査することである。

調査方法
データは、ブダペストの公立教育機関の5年生を代表するサンプルから収集された。サンプルの抽出は、学校の種類、地区、管理者を層別化した一段階サンプリングによって行われ、サンプリング単位はクラスであった。2126人(男性49.3%、平均年齢10.7歳、SD=0.54)のデータが分析された。

結果
うつ病の症状は、男女ともにゲーム時間とGD症状との関連を緩和した。うつ病の症状が高い人ほど、前述の関連は強かった。さらに、自尊心は女子のみ、逃避的動機とADHDは男子のみ調整効果を有していた。これらの場合、ゲーム時間とGD症状との関連は、自尊心が低く、ADHDと逃避のスコアが高い人ほど強かった。

結論
ゲーム時間は特定の条件下でより強くGD症状と関連するが、その場合でもその予測値は限定的であることを示唆する結果であった。